昨日は読書会でした。
テーマはインド系のアメリカ女性作家-ジュンパ・ラヒリです。
ジュンパ・ラヒリは以前に『停電の夜に』という短編集を読んだことがあります。タイトルにもなっている「停電の夜に」は、ちょうど外出先で読んでいて不覚にも公衆の面前で、しゃくり上げて泣いてしまったという心に残る作品です。そして今回読書会の課題にした『その名にちなんで』も、やはり心の機微を優しく表現した、とても繊細な美しい作品でした。
また、ニキルがカルチャーショックを経験するカルカッタの様子や、アシマが作る美味しそうなインド料理を映像で見たくて、読了後に急いで映画(→公式サイト)を見ました。期待以上に、この映画は作品に忠実で良かったです。
そして読書会。
一度プレゼン方式でやって、今回は初のディスカッション方式を採り入れてみることにしました。良いタイミングで発言あり、それぞれが新発見や新情報を得たと思います。皆さん優秀、思慮深く知識豊富で私など学ばせてもらうことばかりでございます・・・。
会が終了した瞬間、誰からともなく拍手が出ました。「この本とお別れするのが寂しい」という言葉にグッときました。感動と共に何とも言えない充実感があって、本当に楽しかったです。これからも謙虚な気持ちを忘れずに読書会を続けたいです。
意見の相違は違う人間だからあって当然。時間と共に意見が変わるのも人間として当然。ただ、そういうギクシャクがあったからといって幕を下ろしてしまうのでは、もったいない。良い物を作る「通過点」と信じて、まっすぐな気持ちを忘れないでいてくれるメンバーさん達に感謝です。
前回「成功したね」という言葉には、素直に「うん」とは言えませんでした。いろんな意味で今回が本当の成功だったと思うのです。国や性別を超えた人間の「普遍的な心の機微」を繊細に描くジュンパ・ラヒリでスタートしたのも成功だった、のかもしれません。