ポール・オースターの小説は「リアル」の一言に尽きる-
痛い、痛々しいほどさらけ出した心理描写、そして思わず吹き出してしまうユーモアも兼ね備えていると思います。寓話のような展開ながら決して説教にはならず、淡々と綴られていくのも特長なのでははいでしょうか。
『偶然の音楽』、実は数年前に半分で読むのをやめていました。今回、読書会を通じて読み終わることができ、映画も観て多くのことを感じ取りました。人間の小さい部分を、ここまで「リアル」に描くことは残酷なようにも思います。一見何の不自由もない、普通に幸せな人間が自分で自分をとことん追い詰めるのです。
その意味は?
答えは「小説だから」かもしれません。小説という形を借りて、現実世界では露わにならない人間の弱さを吐露しているのではないでしょうか。
オースターという作家は感受性の塊のような人だと思います。人生の中で通り過ぎるだけの「偶然」を大切に感じ取り、その意味を考える作業を惜しみません。答えは出なくとも、考えた分だけ個性は強くなっていく・・・興味深い。
2010年7月29日木曜日
2010年7月28日水曜日
2010年7月22日木曜日
浜松~蒲郡旅行(二日目)
浜松~蒲郡旅行(一日目)
2010年7月14日水曜日
2010年7月13日火曜日
2010年7月10日土曜日
2010年7月7日水曜日
深夜の大暴走
昨夜2時過ぎのことでした。
アトムがいつものようにベッドから抜け出して、例の一人遊びを始めていました。すると「カラカラカラ」と何かを引きずって私達の寝ている方へ。「うあぁ~ん」と鳴いていて、確実に様子がおかしい。
ベッドから起き上がって見てみれば、ひも付きのおもちゃが後ろ足にからまって取れない様子。ダンナさんを起こしてアトムを捕まえようとするも、大暴れで抵抗。今まで聞いたこともないような猫の声「うぎゃー」って鳴いて、体をねじらせ七転八倒。
あわわわ・・・・
ダンナさんはまだ寝ぼけているのか、反応が遅い。「おもちゃはあきらめよう、とにかくひもを切る。捕まえて」となるべく冷静に指示を出す。とにかく暴れるので、ケガをさせそうでひもの長い部分しか切れない。
後ろ足はひもがぐっちゃぐちゃにからまって痛そう。するとアトムを捕まえていたダンナさんの手をガブリとやって、また逃げてしまった。ひもが後ろ足に食い込むのか?アトムは痛そうに叫びまくる。
泣きたいのはこっちだよぉ~(>_<)
私は覚悟を決める「多少の出血は、いたしかたない・・・切る」ハサミを近づけるとアトムは体をねじらせて抵抗。「早く背中押さえて!」と、まだ寝ぼけているのか?呆然としているダンナさんに今度は厳しく指示。
映画のワンシーンように、視線はからまったひもにフォーカス。最も固くからまった部分へと焦点が合ったその瞬間、、私は一気にハサミを入れた!
なんという幸運。上手くハサミが入って、あとはアトムが自力でひもを解いたのです。血も見ることもなく、アトムにケガもなかった(あったのはダンナさんへの噛み傷だけ 苦笑)しばしあ然、ゼイゼイと座り込む。
しばらくして汗が噴き出してきた。するとダンナさんが「さ、もう寝よ」と言ってバチンと電気を消した。
無情にバチンと・・・やっぱり寝ぼけ体質は、本物だったのです。って、そうじゃなくて、アトちゃんもぅーー!!
夜の一人遊びは禁止しよう。そしてアトちゃんはお片付けできないから、遊んだ後のおもちゃは私達がちゃんとしまっておくようにしましょう(反省)

「怖かったんだよぉー、怖かったんだよぉー」
アトムがいつものようにベッドから抜け出して、例の一人遊びを始めていました。すると「カラカラカラ」と何かを引きずって私達の寝ている方へ。「うあぁ~ん」と鳴いていて、確実に様子がおかしい。
ベッドから起き上がって見てみれば、ひも付きのおもちゃが後ろ足にからまって取れない様子。ダンナさんを起こしてアトムを捕まえようとするも、大暴れで抵抗。今まで聞いたこともないような猫の声「うぎゃー」って鳴いて、体をねじらせ七転八倒。
あわわわ・・・・
ダンナさんはまだ寝ぼけているのか、反応が遅い。「おもちゃはあきらめよう、とにかくひもを切る。捕まえて」となるべく冷静に指示を出す。とにかく暴れるので、ケガをさせそうでひもの長い部分しか切れない。
後ろ足はひもがぐっちゃぐちゃにからまって痛そう。するとアトムを捕まえていたダンナさんの手をガブリとやって、また逃げてしまった。ひもが後ろ足に食い込むのか?アトムは痛そうに叫びまくる。
泣きたいのはこっちだよぉ~(>_<)
私は覚悟を決める「多少の出血は、いたしかたない・・・切る」ハサミを近づけるとアトムは体をねじらせて抵抗。「早く背中押さえて!」と、まだ寝ぼけているのか?呆然としているダンナさんに今度は厳しく指示。
映画のワンシーンように、視線はからまったひもにフォーカス。最も固くからまった部分へと焦点が合ったその瞬間、、私は一気にハサミを入れた!
なんという幸運。上手くハサミが入って、あとはアトムが自力でひもを解いたのです。血も見ることもなく、アトムにケガもなかった(あったのはダンナさんへの噛み傷だけ 苦笑)しばしあ然、ゼイゼイと座り込む。
しばらくして汗が噴き出してきた。するとダンナさんが「さ、もう寝よ」と言ってバチンと電気を消した。
無情にバチンと・・・やっぱり寝ぼけ体質は、本物だったのです。って、そうじゃなくて、アトちゃんもぅーー!!
夜の一人遊びは禁止しよう。そしてアトちゃんはお片付けできないから、遊んだ後のおもちゃは私達がちゃんとしまっておくようにしましょう(反省)
「怖かったんだよぉー、怖かったんだよぉー」
2010年7月1日木曜日
『M/Tと森のフシギの物語』
今日は読書会が無事終了。
大江作品は読むのも感想をまとめるのも、そして語り合うのも大変でした。

物語は「M」と「T」の意味を読み知るところから始まります。そして語り手の「僕」が祖母から語り継がれた森の神話めいた村作りの歴史を話し始めると、一気にワンダーランドの扉が開きます。
壊す人・童子・オーバー・オシコメ・リスケ 等々、登場人物(人か神かは分からない)のエピソードは、まるで冒険小説のように勇ましく、怖くて、面白かったです。しかし「面白い」と言っても難解、容易く読み流すことは不可能でした。難しいので必然的に何度も文字を読み返すこととなり「そこが作者の意図?」と思うくらいでした。美しい言葉で語られながらも残酷で、独自の観念を持った日記のような小説です。
そして村の歴史は、国家権力の戦いへと物語を進めます。ここでの祖母や長老の話す「言い伝え」は、村創建の華々しい物語とは違い、影の物語に変わって行くのです。中隊長が、いよいよ村人を追い詰めたあげく自分の任務に疑問を抱くかのように「壊す人」に答えを求め、自ら命を絶つ場面は特に印象的に描かれていました。
最終章の「森のフシギの音楽」では、家族と森の言い伝えの不思議なつながりについて語られています。主人公が祖母から刷り込まれた「魂の再生論」を、ここでは母の言葉によって再度、思い起こされることとなるのです。それこそ「M」の意味するメイトリアーク、そして作者の性格こそが「T」の意味するトリックスターだったのだと読みとることが出来るでしょう。
今回リーダーのKさんには「本当にご苦労さまでした」と言いたいです。長編で難解、私なんてストーリー追うだけでも脳に酸素が行き渡らなくなりそうでした(汗)
読書会自体は作品が難解なだけに内容に細かく触れていくことが出来なかったけれど、それでも頻繁に意見が出て論争を交わせたのだから、かなり充実していたと思います。皆さん優秀で、豊富な知識と貴重な意見を聞くことが出来ました。
『M/Tと森のフシギの物語』読書会、大成功です。
大江作品は読むのも感想をまとめるのも、そして語り合うのも大変でした。

物語は「M」と「T」の意味を読み知るところから始まります。そして語り手の「僕」が祖母から語り継がれた森の神話めいた村作りの歴史を話し始めると、一気にワンダーランドの扉が開きます。
壊す人・童子・オーバー・オシコメ・リスケ 等々、登場人物(人か神かは分からない)のエピソードは、まるで冒険小説のように勇ましく、怖くて、面白かったです。しかし「面白い」と言っても難解、容易く読み流すことは不可能でした。難しいので必然的に何度も文字を読み返すこととなり「そこが作者の意図?」と思うくらいでした。美しい言葉で語られながらも残酷で、独自の観念を持った日記のような小説です。
そして村の歴史は、国家権力の戦いへと物語を進めます。ここでの祖母や長老の話す「言い伝え」は、村創建の華々しい物語とは違い、影の物語に変わって行くのです。中隊長が、いよいよ村人を追い詰めたあげく自分の任務に疑問を抱くかのように「壊す人」に答えを求め、自ら命を絶つ場面は特に印象的に描かれていました。
最終章の「森のフシギの音楽」では、家族と森の言い伝えの不思議なつながりについて語られています。主人公が祖母から刷り込まれた「魂の再生論」を、ここでは母の言葉によって再度、思い起こされることとなるのです。それこそ「M」の意味するメイトリアーク、そして作者の性格こそが「T」の意味するトリックスターだったのだと読みとることが出来るでしょう。
今回リーダーのKさんには「本当にご苦労さまでした」と言いたいです。長編で難解、私なんてストーリー追うだけでも脳に酸素が行き渡らなくなりそうでした(汗)
読書会自体は作品が難解なだけに内容に細かく触れていくことが出来なかったけれど、それでも頻繁に意見が出て論争を交わせたのだから、かなり充実していたと思います。皆さん優秀で、豊富な知識と貴重な意見を聞くことが出来ました。
『M/Tと森のフシギの物語』読書会、大成功です。
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