2013年6月15日土曜日

『銀河鉄道の夜』

今回の読書会は、読書会のテーマにぴったり!
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』です。

 

新潮文庫の新編版で読みました。


ジョバンニ(とカムパネルラ)の「ほんとうのさいわい」探しの旅、誰もが子供の頃にはきっと見えていたであろう遥か銀河の彼方、銀河鉄道の旅のお話しです。

第九章 小さな男の子と姉、家庭教師の青年が乗り込んできた辺りから物語が悲しく美しい旋律を奏で始めます。

ドキドキ、ガタンガタン ドキドキ、ガタンガタン・・・

讃美歌がオーケストラに変わり、新世界交響楽へ。

姉弟のセリフや行動が寂しく愛おしく、その家庭教師の青年のなぐさめや祈りにも心を打たれました。そして天上(南十字)についての彼らとジョバン二の言い争い、この場面が物語の中で一番の山場であり、大きな意味を持っているのではないかと感じました。

いろいろと疑問もあります。

カムパネルラの最後(石炭袋のところ)は怖すぎるし、カムパネルラのお父さんの冷静すぎる行動と発言も疑問です。タイタニック号の惨事(被害者)に、幼い姉弟を使うのも残酷だなぁ。

でもそんな感想以前に、この誰もが知っていて、誰もが読んでいない名著を、ほんとうに読むことが出来たことこそ「さいわい」です。

なんちゃって。