2012年6月9日土曜日

『細雪』と倚松庵

読書会のことを書くの忘れてました。

今回のテーマは『細雪』谷崎潤一郎です。物語が面白いのと同時に阪神間のことがたくさん登場するのでとても興味深く、上中下巻とかなりの量ですがあっという間に読めました。とはいえ、中盤の4姉妹による優雅な「大騒ぎ」がしんどくなってきて(笑)読書を中断してしまっていたのも事実です。

司会の方も問題提起されていましたが、残酷な物語だとも思いました。ブルジョア階級の残酷さ満載です。差別意識が強く、道徳観念に疑問を感じずにはいられませんが、この時代(大正後期~昭和初期)の美のセンスには学ぶところも大きかったです。京都のお花見ツアー、やってみたいな。

読書会後に『細雪』のモデルにもなった、住吉川沿いにある谷崎が住んでいた家(記念館)に行きました。

『倚松庵』


住吉川を眺める二階の大広間は、風がよく通って気持ちいい。



一階は洋風な部屋、二階は温泉宿を思わせる和室です。

読書会でディスカッションした後に、こうして物語の舞台となった家を訪ねることが出来て、一冊の本がすっかり立体的に変身ました。