2014年7月23日水曜日

『アルケミスト』

少し前になりますが、読書会をしました。

今回のテーマはパウロ・コエ―リョ『アルケミスト』です。


すぐに読めそうな本を探していて何気なく選んでみたのですが、実は世界的ベストセラーらしく(!)あらゆる国の幅広い世代の人々に愛されている物語なのでした。


今回、用意した質問は以下です。

①「夢を見ている方が好き」なクリスタル商人と「夢を実現したい」少年についてどう思いますか?また自分はどちらですか?
②宗教的な表現が多いですが、どう思いましたか?
③格言が多く出てきますが、印象的なものはありましたか?

など、など。

②について、サンチャゴ(主人公)をアフリカ大陸に送り出したメルキゼデック(セイラムの王様)の表現が印象的だと盛り上がりました。

「彼は二度と少年に会うことはないだろう。それはちょうど自分がアブラハムの十分の一をもらってから、彼に二度と会わなかったのと同じだ」(P.41引用)

と、コーランの逸話を持ち出し、かなり大胆な表現をしています。ただ単にサンチャゴから羊を譲り受けたことに重ねてだけなのか、ほかに何か意味があるのかは分かりませんが、急に壮大な物語になっている点が気になります。宗教上の人物(神)を登場させた神話学的な物語は「解釈が難しい」とも感じました。

物語の中で一番重要な部分「マクトゥーブ(=それは書かれている)」、サンチャゴのように前兆というサインを見落すことなく焦らずに、やる気と勇気を持って夢を実現して行きたいものです。

そして何より、この本には旅情をかきたてる美しい描写が多く「モロッコに行ってみたい」から始まり、ついつい旅行の思い出を語り合う時間が多くなってしまったのは、とても楽しい脱線でした。